はだかの王様
僭越ながら苦言を呈したい。菅首相という政治家。官房長官時代に積み上げてきた権力を盾に人事を操り頂点に昇り詰めた。が、武器である権力は諸刃の剣。権力に酔い知れた末路は酩酊し迷走の終焉を見ることに。最後は振りかざした”やいば”に己も切られた、と言うことか。安倍政権の裏方参謀としては、たけていたのかもしれない。が、所詮は首相の資質に欠けていた様相は拭えない。日本をどうしたいのか、国家ビジョンも自身の言葉では何も語れず、官僚の作文を毎度無表情で棒読みするだけでは国民の心に何も響くはずが無い。ぼくとつでも口下手でも全然構わない。もとより腹をすえて魂のこもった菅さん自身の思いのたけを聞きたかった。国会でも記者会見でも菅さんは、一答々質疑がかみ合わずエンドレステープよろしくのオウム返し。菅さんは選挙で不利になると算段したのか国会を開く気配さえない。アフガン救出に関しても興味を示さず総裁選でドタバタ。保身の奇策、二階堂幹事長に引導を渡すも岸田前政調会長に矢羽根を放たれ外堀を埋められた。アフガン現地で見放された人達は今まさに命の危機にさらされているというのに。官房長官時代には、わかりづらかった菅さんの本質がここにきてあらわになった。菅さんの描いたシナリオはすべてとん挫し、もはや打つ手無しの中、国民の心は離れるばかり。悲しいかな、支持を得られる議員も次々といなくなりどん詰まりの孤立無援。まさに”裸の王様”状態。そんな中、見かねてひざ詰めで進言したのはブレーンの小泉進次郎大臣。彼の冷静な大局観に諭されての総裁選出馬断念は遅まきながらも賢明な判断だったかと。続投に意欲満々の発言からわずか3日後の急転直下は世を驚かせた。「コロナ対応に集中したいので出馬は辞する。」と言う、不出馬の説明はあまりに短絡で稚拙。本心を閉ざした言葉はいくら並べても国民は見透かし、閉口するだけだ。潔く恥を忍んでも心を開けば少しは共感を得られるだろうことを理解していない。とにもかくにもまずはお疲れ様。時に国会議員は「議員になったからには総理の座にウンヌン...」などと言われた方がいたが、関取が横綱を目指すのとは次元の違う話。首相を目指す議員は権力のトップに立つことを目的としてはならない。国民を乗せた日本丸は今、針路を見失い暗黒の海原を漂っている。舵取りを安心して託せる、そしてまた気概と覚悟を持った総理誕生に期待したい。、、、下僕のたわ言にてお許しを。<(_ _)>