気仙沼のふかひれ屋さん 気仙沼のふかひれ屋さん
 · 

菩提寺にて

稲穂のコウベが垂れる田園を目にしながら車を走らせ一路、一関市花泉町へ。亡き父の生家でもある菩提寺。小生より7つ年上、いとこの住職も彼岸中は何かと多用なことと推察し、出向くのはいつも明けてから。白壁の山門を抜け、浄土に眠る僧正法印の祖父と祖母に香を手向け挨拶を。寺社史をひも解けば遥か平安の後期、遣唐使でもあった慈覚大師『円仁.えんにん』が東北行脚の時、故郷近江を思わせるこの地の景観に至極魅せられ薬師堂を造営。自ら山刀を手に如来尊像と12体の神将を彫刻し堂に納めたのだと言う。知覧興亡、建立から今年で実に1,187年目となる。風雪に耐え忍び、長きにわたり悠久の時を重ねたことは感慨深い。片田舎の小さな寺だが現在は総代方々が盛り立て地域からは揺るぎない信奉を受けて隆盛。第二十世僧正と成り得るべく二つ先の跡目、孫ちゃんも誕生し、まずは安泰の様相にて安堵。岩手三十三観音霊場二十八番札所.合掌