気仙沼のふかひれ屋さん 気仙沼のふかひれ屋さん
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今年の白鳥

わが家の眼下を流れる”気仙沼大川”。先日から川に堆積した土砂の浚渫(しゅんせつ)工事が始まっていた。。小生にとって大川は、とても身近。親子ともども(南気仙沼)小学校には川を渡って通い、震災前には桜並木が続く土手で花見をし、夏祭りには川沿いに赤チョウチンを連ならせ、時にハゼ釣りをし、鮭の大群が遡上するのを眺めたりと、思い出は尽きない。そんな川を見続けてきた中ではあるが、川底の浚渫と言うのは恐らく初めてのことではなかろうか。─3.11津波の時は、さかのぼってきたドス黒い波が川土手を大きく乗り越えた。川沿いに建つ小学校には3階まで迫ろうかと言う大津波が押し寄せて(のちに廃校)流域に甚大な被害を及ぼしたのだが、ひょっとするとその時に削られた土手の土砂が流入したのかもしれない。あれから13年、ようやく護岸の擁壁工事が終わったことを機にしてこの工事は始まったものか。。。

工事はともかく、その影響で今年は白鳥が来ない、寂しいなぁ、、。と、あきらめていたら、「コォー、コォーッ」!!!!!!!‥早朝、久々に聞く白鳥の鳴き声で目を覚まし、布団を蹴散らし飛び起きた。が、それが災いし、しもやけ気味の足の小指をふすまのフチにぶつけ七転八倒(涙)。痛みをこらえつつ下を見ると、、浚渫現場の横に一羽だけ。何となく様子がおかしい、弱ってはぐれたのかケガをしたのか、よっぽど腹も空いているようで何度々も水に頭を入れてエサを探している様子。白鳥は水草の根も食するが頭を入れるもこの川辺には、ほぼそれも皆無。普通、この様に頻繁に顔を突っ込むことは無いのでちょっと心配。気にはなりつつも体が冷え切ったので一旦布団にもぐり込むことに。ひと眠りして起床すると、もうその姿は無く、翌日、翌々日もう見かけることは無かった。。

──こちらは一年前、2月同時期の撮影。多い日には20羽もいてにぎやか。仕事前に野菜クズをあげるのが日課になっていた。そんな中、警戒心が薄く、いつも土手に上がって近づいてくるカシコイ一羽がいた。水の中ではエサの争奪戦が激しい。小生の姿を見ると速攻トコトコ。背後に陣取る彼(彼女?)をおざなりにしていると、けたたましく(早くくれ!と)鳴いて怒る#。ズンズン近寄ってくるので、こちらは後ずさり。なんだかんだで楽しいひとときであった。浚渫工事が終わって来年はまた、あの図々しい白鳥に会えるだろうか。

こいつがカシコイ異端児。